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100ワット

〔その本は現在貸出中〕

週に1度はラーメン定食を食べに行く近所の食堂のおばちゃん達が面白い。そしてここでアタシは全く知らなかった言葉を知った。「便所の100ワット」なるほど便所の電球はたいがい40ワットかよくて60ワットだ。つまり〔ムダに明るい〕という意味らしい。調理のそのおばちゃんはそう言って屈託なく大笑いする。そうなのだ、お昼時は3人でやっているのだが、たしかに皆さん明るくて笑いが絶えない。しかも〔本日の定食〕も〔ラーメン定食〕も500円の1コイン。単品ならもっと安い。味だっておばちゃん達のアジは昔風でそこがいい。
カウンターの配膳おばちゃんはいつも和服で、読書家の彼女は時々ここに本を借りにやって来る。岩手県釜石の出身というので、じゃ鈴木東民さんは知っているの?と訊くと「知っているわよ、遠い親戚だもの」と。
鎌田 慧にとって「反骨 鈴木東民の生涯」は彼のノンフィクション作品の中でも特に傑作だ。東民さんは新聞記者を経て昭和30年に釜石市長に当選、3期務めた人だ。市中を流れる川に日本で唯一の橋上市場を建設したことでも知られる方だ。その市場は2003年には閉鎖され、その姿を消しているという。もし続いていたら2011年の津波に遭って大惨事になったかも知れない。
歴史は常に皮肉で塞翁が馬だ。
100ワットおばちゃんも冬季の閉館中は沢山の本をここから借りて行っていた。いいアジを出していつまでも元気で働いてほしい。
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プロフィール

BIN山本

Author:BIN山本
私は、「登別映像機材博物館」の館主です。
「登別映像機材博物館」は私たちが今まで現場で使用してきたビデオ放送機材やフィルム機材を俯瞰し、その変遷の躯体をもって動態保存展示するものです。映像ソフトが時代の文化だとするなら、それを生み出したハード機器(撮影機材や再生機材、編集機材、音声機材)もまた文化遺産だと考えています。
 映像機器メーカーでも放送局でもなし得ない、町場のプロダクションが最近まで使用してきたVTRやビデオカメラをはじめ、フィルム機材を含めた放送機材の変遷史ともいうべき動態機材展示です。そのつもりで仲間のプロダクションなどの協力も得て、少しずつ集めておりました。入場無料、日本で唯一の『映像機材総合博物館』です。
 多目的ステージもあります。是非一度お立ちよりください。

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