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壊れていく駅

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〔壊されていく〕

偶然だが、その日が解体着工の初日だった。まず駅名版が外され少なからず在ったイスや机が出され、内装材を剥がす。タタミは往時の駅舎内部の大きさを忍ばせる。廃駅後のひっそりとした佇まいという狙いは前回同様タイミングが悪い。作業の方に聞くと、更地にしてホームさえあたかも何も無かったかのようにするらしい。近所の方が手入れしていた花壇も無残に壊されるだろう。こうして次々に駅と町があった痕跡さえ消えていくのだ。そしていつか路線も廃止され鉄路も外され消えていく。

解体は1週間ほどで作業が終わるという。この冬には雪が他の原野と変わりなく積もり、ひっそりとその息づかいさえ聴こえないだろう。来年の夏はルピナスの花が自然に咲き乱れるのだろうか。
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プロフィール

BIN山本

Author:BIN山本
私は、「登別映像機材博物館」の館主です。
「登別映像機材博物館」は私たちが今まで現場で使用してきたビデオ放送機材やフィルム機材を俯瞰し、その変遷の躯体をもって動態保存展示するものです。映像ソフトが時代の文化だとするなら、それを生み出したハード機器(撮影機材や再生機材、編集機材、音声機材)もまた文化遺産だと考えています。
 映像機器メーカーでも放送局でもなし得ない、町場のプロダクションが最近まで使用してきたVTRやビデオカメラをはじめ、フィルム機材を含めた放送機材の変遷史ともいうべき動態機材展示です。そのつもりで仲間のプロダクションなどの協力も得て、少しずつ集めておりました。入場無料、日本で唯一の『映像機材総合博物館』です。
 多目的ステージもあります。是非一度お立ちよりください。

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