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極私的敗北

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〔応募作品〕

今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭に応募したが、あえなく落選となった。まさか入賞はないだろうが、せめてプログラム上映があるならという期待も虚しく、敗北となった。アジア部門645編応募作品の中に、藻屑となったのだ。

朝夕上りが1本、下りが1本という1日2回の停車しかないという極のつく過疎の町駅、鉄道ファンには知られた駅だったが、この作品のために5年通い続けた駅も、すでに昨年の3月でついに廃駅となっていた。その間一人の乗降客もアタシは見なかった。廃駅以後の夏に行くと、人を見たのは皮肉にもその駅舎を取り壊すための作業員たちだった。
そのためいろんな季節の駅舎を主人公としていたが、撮れたのは冬か夏場の様相のみ。いつ行っても春と秋の季節感がない。だが人の気配は在った。夏の、ホームにある花壇には花が手入れされ咲いていたし、駅舎内は掃除されていた。冬は除雪が最小限されていたし除雪道具も揃っていた。いつもひっそりと佇む駅舎、その作品には音楽は余計だった。夏は虫たちの鳴き声、冬は風の音がゴワゴワと。作品のラストはその年の冬、更地になった元駅跡に深〃と雪が降り続き、特急列車が通り過ぎる。(ラストのエンディングクレジットロールに音楽を1曲だけは使用したが)

ドキュメンタリー映画は社会問題に取り組む人間模様や現状などをテーマ性にあふれたものが多いのだろうが、いずれにしても人間が出てくる。その意味ではアタシのは人間に焦点をあてたものではないし、かといってネイチャーものでもない。だからこれはドキュメンタリーたりえるかという自問は大いにあった。それでもほぼ使われなくなっていた駅舎の、少ない住民の駅を守りたいという画面には映らなかったひとびとの思いは表現できているのだと自負はしている。

この作品はアタシの生涯最期の8作品目として取り組んでいた。が、悔しいので密かに次の企画をあたためている。そして今年10月5日からの山形での映画祭を見に行こうと決めている。 病気は死ぬまでなおらんとです・・・(苦笑)
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BIN山本

Author:BIN山本
私は、「登別映像機材博物館」の館主です。
「登別映像機材博物館」は私たちが今まで現場で使用してきたビデオ放送機材やフィルム機材を俯瞰し、その変遷の躯体をもって動態保存展示するものです。映像ソフトが時代の文化だとするなら、それを生み出したハード機器(撮影機材や再生機材、編集機材、音声機材)もまた文化遺産だと考えています。
 映像機器メーカーでも放送局でもなし得ない、町場のプロダクションが最近まで使用してきたVTRやビデオカメラをはじめ、フィルム機材を含めた放送機材の変遷史ともいうべき動態機材展示です。そのつもりで仲間のプロダクションなどの協力も得て、少しずつ集めておりました。入場無料、日本で唯一の『映像機材総合博物館』です。
 多目的ステージもあります。是非一度お立ちよりください。

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