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行く先の向うへ

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〔羽帯駅〕

札幌に戻ると読んでいなかった新聞をまとめて読む。どうしても鉄道関係の駅に関する記事はすぐ目に留まる。
どうやら来年のJRダイヤ改正では根室本線羽帯駅の廃止に清水町が同意したようだ。
平らで遠くまで見通せる付近には民家もなにかの施設も見当たらない。もしここに乗降者がいるとすれば、よほどの辺境駅マニアか特別な事情を持ったひとだろうか。1日上下4本の汽車が止まるが、平均乗降客数は1人以下だという。つまり月に数人だ。

以前にも書いたが、ここを撮ったのは真冬の雪降りの日だった。駅を中心とする周りを撮り、3畳ほどの駅舎内を撮ろうと戸を開けた。
全く気が付かなかったが、駅舎内にはベンチ状のごつい板の端に男が1人身じろぎもせず佇んでいた。アタシはぎょっとしたのは言うまでもない。駅舎の外観をフルショットで撮った時も気が付かなかった。ちょっと舎内を撮らせて下さいと言いながら、話しかけてみた。そんなに暖かい服装でもない。白めのスニーカーを履き小さめのデバック1つだ。アタシはきっと訊いた、来た方向へ戻るものだとばかり思っていたが、その方向へ来た汽車にのることはなかった。そうすると彼のそこで何時間も寒い中、佇んでいた理由が解からない。寒くて狭い独居房の空間くらいな広さのイスの端、まるで荒行のように黙していたヒゲずらの40がらみ、きっと詩人か、文学などと苦闘していたのか。きっとかれは行く方向の、さらにその向うへ行こうとしていたのだ。言葉少なだった彼の、その後はどうしているだろうか。
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BIN 山本

Author:BIN 山本
私は、「登別映像機材博物館」の館主です。
「登別映像機材博物館」は私たちが今まで現場で使用してきたビデオ放送機材やフィルム機材を俯瞰し、その変遷の躯体をもって動態保存展示するものです。映像ソフトが時代の文化だとするなら、それを生み出したハード機器(撮影機材や再生機材、編集機材、音声機材)もまた文化遺産だと考えています。
 映像機器メーカーでも放送局でもなし得ない、町場のプロダクションが最近まで使用してきたVTRやビデオカメラをはじめ、フィルム機材を含めた放送機材の変遷史ともいうべき動態機材展示です。そのつもりで仲間のプロダクションなどの協力も得て、少しずつ集めておりました。入場無料、日本で唯一の『映像機材総合博物館』です。
 多目的ステージもあります。是非一度お立ちよりください。

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